アサギマダラを求めて箱館山へ
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長距離を旅するチョウ ― アサギマダラ ―

アサギマダラは、白と淡い青色のまだら模様が美しいチョウです。日本では春から秋にかけて山や高原で見られますが、実はこのチョウには驚くべき習性があります。それは「長い旅をする」ことです。

アサギマダラは、初夏に本州の高原などで生まれ、秋になると南の方へ移動します。なんと、数百キロから2000キロ以上も旅をすることが知られています。日本の本州から九州、さらに海を越えて台湾や香港まで飛んでいくこともあるのです。

このチョウは、風に乗って高く遠くまで飛ぶのが得意で、一日に100キロ以上進むこともあります。移動の途中では、フジバカマなどの花の蜜を吸ってエネルギーを補給します。

アサギマダラの旅は、次の世代へと命をつなぐための大切なものです。遠く離れた土地で冬を過ごした後、また北の方へと戻ってくる子や孫の世代もいます。

このようにアサギマダラは、小さな体で海を越える“旅するチョウ”として、多くの人々に感動を与えています。